ブログにコメントいただいた「モチコさん」の返事と共に、
「鉄」について今回は書きます。
まず、主な働きは、
赤血球に存在し、酸素を運ぶことです。
極端に言えば、呼吸をしていても、鉄がないとムダです。
主な欠乏症状は、
貧血、蒼白、疲労、動悸、虚弱、発育・認識障害、作業能力・体温調節力の低下などです。
ここからが、「モチコさん」への回答になりますが、
すこぶる役立ちます。大変勉強になりました。
質問は、以下の通りでした。
あと鉄分を飲んでみようかと思っているのですが、ネットで鉄分について調べていたら「鉄分は本当に必要な人以外が飲むと危ない」といったようなことが書いてありました。
まず、鉄の1日これだけ取って欲しい量(1日の必要量)は、
「7.5mg」(30歳〜49歳男性、女性はもう少し多く)
上限量(過剰摂取による健康障害をおこすことのない栄養摂取の最大量)は、
ナ、ナント「55mg」
えっ!
小林製薬のサプリを例にとると、1日2カプセルで4.8mg
とれるそうです。1日20カプセル飲んでも48mg。
そういう間違った飲み方をしても、まだ健康障害をおこさない摂取量です。
何を根拠に本当に必要な人以外が飲むと危険と言っているのでしょうか?
不思議です。
それと、身体の構造について、鉄の吸収は厳密に調節されているらしく、貯蔵量が十分な場合は、吸収率が低下します。従って、鉄の毒性というのは、きわめて稀であるようです。
一部、ヘモクロマトーシスと呼ばれる遺伝的欠損がある方は、鉄分がすくないために、過剰吸収を引き起こし、臓器に損傷をあたえることがあるようです。
また、動物性の鉄である「ヘム鉄」は約25%程度吸収されますが、植物性の「非ヘム鉄」は5〜7%の吸収量です。
現代人の食生活、特に女性は生理のリスクもあります。
どれだけ、鉄分が補給できているのでしょうか?
いわゆる、普通のサプリは、1日に必要な量の約半分ほど。
しかも、その10倍とってもまだ許容量である。
しかも、鉄が足りていると、吸収量を身体のほうが落とす。
なんで、普通の人が飲むと危険とか平気で言う事ができるのかが
とても理解できません。
文献のちょっとショッキングな内容をひっぱり出してきて、
さも詳しいように名乗り、人を不安にさせてる人が多い。
危険性をいうのは、とても大事なことです。
でも、ちゃんとそのリスクの発生源を言わないのは卑怯です。
鉄のサプリメントを用心のために飲んでもらって全然かまいません。
個人的に大変勉強になる質問でした。ありがとうございます。
参照文献:「日本人の食事摂取基準(2005年版)」